第10回スミダ学園開催のご報告

【開催報告】第10回スミダ学園:心不全パンデミックに立ち向かう!〜在宅で出会う心不全患者にどう向き合うか〜
こんにちは!スミダ薬局です。
先日開催された「第10回スミダ学園」の様子をご報告いたします!今回は「心不全パンデミックと多職種連携」をテーマに、医師・薬剤師・看護師・理学療法士、さらには薬学生の皆さんも交え、職種の壁を越えた超・実践的なディスカッションが行われました。
■ 爆増する心不全患者と「Fantastic 4」の時代
現在、心疾患は日本人の死因第2位であり、2030年には心不全患者が約130万人に達すると推計されています。心不全は一度悪化すると元の状態に戻りにくく、入院後の5年生存率が50%以下という厳しい現実があります。
この「心不全パンデミック」に対し、治療のパラダイムシフトが起きています。現在では「Fantastic 4」と呼ばれる4つの薬(ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬)の早期導入が新常識となりました。特に糖尿病薬から心不全の特効薬へと進化した「SGLT2阻害薬」は、今やほぼすべての心不全患者の標準治療となっています。
■ 病院の「管理」と在宅の「現実」に潜む罠
しかし、薬が効いて退院しても、約半数の方が半年以内に再入院してしまう「回転ドア現象」が起きています。
その大きな原因が、病院と在宅の「活動量のギャップ」です。病院では安全に管理された約3METsの活動量で過ごせますが、自宅に帰ると階段昇降や布団干しなど、4〜5METsの「過負荷」が心臓を襲います。
■ SGLT2阻害薬の「裏の顔」と多職種による絶対防衛
さらに現場を悩ませるのが、SGLT2阻害薬の「裏の顔」です。優れた薬効の反面、糖の排泄によって体内で「異化(カタボリック)」が進み、筋肉が分解されやすくなるリスクがあります。これにより、嚥下筋が衰えて「摂食嚥下障害」を引き起こしたり、動けなくなってしまうケースがあるのです。
これを防ぐための一手が、「適切な栄養(タンパク質)介入」と「安全な運動負荷(レジスタンストレーニング)」のセット導入です。
患者さんのふくらはぎを指で囲む「わっかテスト」で隙間ができたら、筋肉量低下のサイン。すぐに管理栄養士や理学療法士へ連携することが重要です。
■ 職種を越えたコミュニケーションの力
後半のディスカッションでは、「在宅での小さな変化を、いかに急性期病院の医師へ伝えるか」という課題が熱く議論されました。薬局からのトレーシングレポートを活用して外来医師へ情報を繋ぐなど、それぞれの職種が持つ「視点」を連携させることが、患者さんを再入院から守る最大の防御になります。
ご登壇いただいた角野先生、小池氏、増田氏、吉田氏、そして熱心に参加してくださった実習生の皆様、本当にありがとうございました!次回のスミダ学園もどうぞご期待ください!
■ 今回ご参加いただいた方
10事業所 5職種 16名 + 学生 4名
- 訪問診療医師(1事業所、2名)
- 地域病院医師(1事業所、1名)
- 訪問看護師(4事業所、6名)
- 訪問リハ(2事業所、2名)
- デイサービス(1事業所、1名)
- 薬局薬剤師(1事業所、2名)
- 病院薬剤師(1事業所、2名)
- 医学生(地域連携実習1名)
- 薬学生(地域連携実習2名、弊社実務実習生1名)



